融資先が再建計画中に倒産すれば、もちろんこの出資金(債権)はパーになる。その時は、全額直接償却(無税)すればよい。この特別目的会社方式の深謀遠慮な狙いは、そこまで計算して練り上げられたものだと思う。一兆円以上の不良債権を抱えたうえ、営業もできないまま再建計画中の住専・ノンバンクが、十年で立ち直れるなどとは、誰も本気で期待していない。だから、回収見込みのない債権を出資金にすり換える一種の。偽装債権放棄を企んだものかもしれない。
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となると、この「特別目的」とは「特別清算」と読み替えたほうが、正鵠を射ることになろう。まず回収できない利息分を無税償却させ、追加融資の負担を無くし、債権を受け皿会社に移管して凍結し、時期を見て清算(倒産)させる、という筋書きだ。正しくは「住専等特別融資先清算会社」と呼称すべきだろう。私はこの方式の隠された狙いの凄さに感嘆した。というのは、一般の背任罪だけでなく、商法四八六条の特別背任罪の構成要件も、この方式なら消去できると考えられるからだ。「特定債務者のために金利をゼロにして放置し、会社に損害を与えた」ということにならない。その予想される損害を、未然に償却してしまうからだ。株主訴訟もクリアできることになるから、この会社の設立は、各行にとって救いの神となるであろう。今期決算には間に合わないが、四月以降、住専・ノンバンク向けの「特別清算会社」が続々と設立されることが予想される。