MTコネクターのおかげで、積極的な人づき合いもできるように平成19年11月末、書店の本で松倉さんはMTコネクターを知っている。松倉さんの上の歯はまったく問題なかったが、下の歯は状態が悪く、前歯と数本が残っているような状態だった。当然、下は部分入れ歯をつくっていたがまったく合わず、引き出しに放り込んだままだったという。「インプラントも考えて歯医者に相談しましたが、難しいと言われてしまいました。そんな状態ですから、食事のときは、だましだまし噛むような按配でした。家で家族と食事する分にはいいんですが、お友達と外食するときなどは困りましたね。とにかく柔らかいものしか食べられませんし、恥ずかしい気持ちもありますから……」松倉さんの場合、すぐにMTコネクターの作成にはかかれなかった。残っている下の歯に虫歯があり、虫歯の治療が先決だったのだ。3ヶ月程度かけてじっくり虫歯を治療してから、本格的な義歯作製に入っている。まず3ヶ月ほど治療用義歯で噛み合わせを調整したあと、下だけMTコネクターがつくられた。あまり歯がなかったため、コネクターはかなり大きめのものになった。「MTコネクターにしてびっくりしました。前の部分入れ歯ははめるとゴワッとしたイヤな感じがしましたが、MTコネクターにはつけている感じがなく、圧迫感がまったくないんです。硬いものも食べられるし、食べていて何の違和感もありません。本当にピッタリでした」よく部分入れ歯では、せんべいやナッツの細かい粉が入り込んで痛むという話がある。松倉さんも、前の部分入れ歯ではそうした経験をしていた。MTコネクターにして、そのあたりはどうなったのだろうか。「MTコネクターを見ると、おせんべいやナッツの細かい粉が入りそうですけど、全然入りません。だから、そうしたもので痛くなることはありません。これも、歯ぐきの形にピタッと合っているからでしょうけど、先生の技術って本当にすごいですよね」現在の松倉さんは、寝ているときもMTコネクターを外さない。小さなMTコネクターの場合、つけている感覚がないために飲み込む恐れがある。しかし、松倉さんのような大きめのコネクターになると、飲み込む心配もないからだ。さらに、「はめたまま寝ることで、正しい噛み合わせになります」と先生に言われたこともあり、はめたままで寝ているのだ。MTコネクターにして、食べること以外に、松倉さんは別のメリットもあった。以前、硬いものを食べると、耳のところでカチカチと鳴っていたという。顎関節症になるとこうしたことが起こるが、MTコネクターで噛み合わせがよくなったためか、カチカチというその音がしなくなったのだ。さらに、口を大きく開けることにも不安がなくなったという。「歯が悪いと、私のように人づき合いができにくくなりますよね。笑ったり、食事をするときなどに気を使いますから、どうしても引いてしまうんです。MTコネクターのおかげで、お友達とのおつき合いに積極的になれました」快活なその声から、友人との楽しげな語らいが想像できた。